『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(25)

 「すぐにわかるだと......? この後に及んで何が出来るというのだ? 強がりも大概にするがいい!!」カグラは明らかに不快感を露わにしていた。 すでに王手を決め、勝利を確信していただけに、無駄な抵抗をし、強がるセラの態度が気に食わなかった。

 「勝手に勝敗を決めないでもらいたいわね!! まだ戦いは終わってない!! 勝負はこれからよ!!」不快感を表すカグラに向かってセラが吠えた。 セラは全く勝負を諦めていない。

 「トキロウさん...... セラは一体何をするつもりなのかしら? カグラの術を破る何か良い策でもあるの?」ローザがトキロウに聞いた。

 「僕も世羅子が何をしようとしているのか正直わかりません。 ただ、世羅子は勝てる見込みがないのに、強がりを言う人間では無いです。 きっと何か打開策を見つけたんだと思います。 だから僕は世羅子の言葉を信じます!!」今はセラを信じるしかない。 セラならきっと打開策を見つけるはずだとトキロウは信じていた。

 「そうね。 セラを信じましょう!! セラ...... 頑張って!! メスマリア様...... セラにあなた様の祝福をお与えください......」ローザはセラの勝利を信じてメスマリアに祈った。

 「くだらぬ!! そなたが何をしようと、もはや私の勝利は揺るがないのだ。 もはや私の術に抵抗出来るだけの催眠力は残っていまい。 『神眠竜』の炎で焼き尽くしてやるわ!!」勝負を諦めないセラに業を煮やしたカグラが、セラに止めを刺す為に念じ始めた。 カグラが念じ始めると、再び竜の口の中に炎が溢れ出してきた。 

 「来た!!」竜がセラに向かって炎を吐こうとしたその時、セラが何かを感じ取った様子でハッと呟いた。 

 すると教会の外扉から何かが教会の中に入ってきた。 それは大きな狼であった。 その狼は先ほど『白眠衆」に襲われたセラを助けた狼の群れのリーダーだった。

 狼のリーダーは疾風の速さで教会の中を駆け抜けセラの元に駆け寄った。 「ありがとう!! 来てくれて......」セラは自分の元にやってきた狼のリーダーに礼を言いながら頭を優しく撫でた。

 「なんだ......? 狼だと...... そのような獣を呼んで何をしようというのか? まさかその狼を自分の代わりに戦わせるわけではあるまいな? 馬鹿馬鹿しい......」セラが狼を呼び寄せた事に、カグラは呆れたような口ぶりで吐き捨てた。

 「トキロウさん...... どうしてセラは狼を呼んだのかしら? まさかカグラ言う通り、狼とカグラを戦わせるつもりなんじゃ......」ローザはセラがなぜ狼を呼び寄せた理由がわからなかった。

 「僕もわかりません...... でも、自分の代わりに狼を母さんと戦わせるなんて事はしないと思います。 きっと何か理由があるんです......」トキロウもセラがなぜ狼を呼んだのか理由はわからなかったが、何か意味があると確信していた。

 「あなたの力を借りるわね......」セラは狼を優しく撫でながら囁いた。 そして狼の頭の上に手を乗せ、目をつぶって精神を集中させ始めた。 すると狼の頭の上に乗せていた手が輝き出した。 セラの手から放たれた光は瞬く間に狼を包み込んでいく。

 「一体なにを始めるつもりだ、世羅子?!」 様子を伺っていたカグラがセラの謎の行動を訝しんで見ていた。

 セラの放った光に包まれた狼の全身が輝き出し始めた。 その光は眩うばかりであり、トキロウとローザはそのあまりの眩さに腕で光を遮った。

 そして不思議なことが起きた。 何と光に包まれた狼の身体がみるみる巨大化し始めたのだ。 どんどんと巨大化する狼の身体...... カグラはその奇妙な光景に戦いを忘れ思わず傍観していた。 狼の身体が普通の狼の十倍ほどの大きさになってたところでセラが光を放つのを止めた。 

 目の前に巨大な狼が出現した光景に、トキロウとローザ、カグラも揃って唖然としていた。 この巨大化させた狼でセラは一体なにをしようというのか?

 「あっ!! そうか!! わかったぞ!! 世羅子の狙いが......」トキロウが何かに気づいたのか思わず声をあげた。 

 「何かわかったのトキロウさん?」ローザがトキロウに聞いた。 

 「世羅子はあの巨大化させた狼と、母さんの作り出した『眠獣』とを戦わせるつもりなんです」

 「戦わせる......? あの狼と『眠獣』を...... それはどういうことなの、トキロウさん?」

 「あの狼は世羅子の催眠の力で作り出した世羅子版の『眠獣』なんです。 『眠獣』は『眠獣』でしか倒せない。 しかし、世羅子は催眠法力が使えないから『眠獣』を作り出すことが出来ません。 でも世羅子は、催眠法力の代わりに実際の動物を使って『眠獣』を作り出す事にしたんです!! 凄いや!! こんな方法を思いつくなんて、世羅子はやっぱり凄いよ!!」トキロウはセラが型破りな方法で『眠獣』を作り出した事に感心して思わず唸った。

 「じゃあそれなら、あの『眠獣』を倒せるのね?! セラに勝ち目が出てきたのね!!」

 「はい!! この方法なら母さんの『眠獣』に対抗できる!! 勝負はわからなくなりました!! これならいける!!」トキロウはやったと言った様子だった。

 「セラ...... あなたって子は本当に頭が良いわね......」ローザはセラに感心した。 セラは自分が持つ能力の使い方が本当に上手いのだ。 それは抜群の知性に裏打ちされたものであるとローザは改めて思った。

 トキロウとローザが感心しているのを他所に、カグラはまだ目の前の事態を飲み込めていないのか呆然にしていた。 こんな馬鹿げたことが現実なのかと...... しばし我を忘れていた。 

 「カグラ...... これであなたの『眠獣』を倒す事はできる。  これで五分になったわ!!」セラは呆気にとられているカグラに向けてきっとした強い雰囲気で言った。

 「馬鹿な...... こんな突拍子も無い方法で『眠獣」を作り出すなんて...... あり得ぬ...... こんなことがあって良いはずがない......」カグラは信じられないといった様子だった。 長い『姫美島』家の歴史の中で、こんな方法で『眠獣』を作り出した人間など存在しなかった。 自分の知識と経験で身につけた術、連綿と受け継がれた『神催眠の法』こそが至高だと思っていたカグラには、常識外れで奇想天外なセラの術を理解することができなかった。 

 セラが術を使って巨大化させた巨狼が、カグラの『眠獣』に向かって威嚇するように唸った。 そしてその巨狼の威嚇を受けて竜が吠えた。 二匹とも闘争心を剥き出しにして睨み合っている。

 「そのような邪道な術など、私の術の敵では無いわ!! やれ!! 『神眠竜』よ!! その薄汚い獣を蹴散らせ!!」カグラが『眠獣』に向かって命令をすると、『神眠竜』は口から激しい炎を巨狼に向けて吐いた。

 しかし巨狼は迫り来る炎を素早い動きでかわした。 巨大な身体からは想像もつかないほどの敏捷な動きだった。 そして炎をかわした巨狼は、その敏捷性を生かして『神眠竜』に接近し、その大きく鋭い牙で『神眠竜』の首元に噛み付いた。

 首元に噛みつかれた『神眠竜』は激しく吠えながら身体をよじらせて、巨狼の牙を振りほどこうとした。 しかし、巨狼の牙はガッチリと『神眠竜』の首元に食らいついている

 首元に牙を食い込まれた『神眠竜』は激しく暴れ回った。 だが、巨狼の牙は『神眠竜』を逃さない。 すると『神眠竜』は長い身体を利用して巨狼の身体に蛇の様に巻きつき、巨狼の身体を締め上げ始めた。

 『神眠竜』の長い身体がギリギリと巨狼の身体を締め上げる。 巨狼は身体を締め上げられて苦しいのか、食らいついていた牙が緩み始めた。 そしてついに牙が『神眠竜』の首元から離れた。 巨狼の牙から逃れた『神眠竜』はそのまま一気に巨狼の身体を締め上げる。 巨狼は苦しそうに呻き声を上げた。

 「いいぞ!! そのまま締め殺してしまえ!!」カグラが優勢になった『神眠竜』に向かって巨狼を締め殺す様に命じた。 だがその時、セラの身体が輝いた。 そして金色のオーラが辺りを覆い始める。

 「しまった!! 『神眠竜』私を守れ!!」カグラがセラの術から自分を守らせるために『神眠竜』を呼んだ。 呼ばれた『神眠竜』は締め上げていた巨狼を解放し、すぐさまカグラの元に飛んで行った。 そしてセラの術をすぐに打ち消した。

 解放された巨狼もセラの元に駆け寄った。 そして再びカグラと『神眠竜』に向かって威嚇の唸り声を上げた。 

 「くっ!! せっかくの好機を...... 世羅子め!! 小癪なマネを......」カグラは悔しそうに唇を噛んだ。

 セラは巨狼の身体に手を当て、ヒーリング能力で巨狼の回復を始めた。 

 トキロウとローザは二匹の『眠獣』の壮絶な戦いを目の当たりにし、言葉を失った。 目の前で起きている巨大な二匹の獣の戦いは、本当に現実なのかと思うほど、現実離れした戦いだった。

 「凄い!! これが『眠獣』同士の戦い...... こんな戦い見た事ないよ!! それにしてもさすが世羅子だ!! 母さんも慌てて『民獣』を呼び戻すしか無かったな!!」トキロウが慌てて『眠獣』を呼び戻した母の姿を見て、痛快だと言わんばかりの表情だった。

 「トキロウさん...... なぜカグラは『眠獣』を呼び戻したの? せっかく優勢だったのに......」

 「おそらく『眠獣』は術者の側にいなければ、相手の術を無効化する事が出来ないんだと思います。 世羅子は最初の攻撃の時に『眠獣』が母さんの側にいなければ、術を無効化する事ができないことを見抜いたんでしょう。 だからたとえ優勢であっても、相手が術を使ってきたのであれば、攻撃を中断しても術者を守りに戻らなければなりません。 術者が相手の術に落ちてしまったら元も子もないですからね」

 「じゃあ、セラはあの短いやり取りの中で、それを見抜いたのね!! なんて凄い子なのかしら!!」

 「本当に世羅子には驚かされます!! 『眠獣』を独自のやり方で作り出し、母さんの術も冷静に分析している...... とても初めての戦いとは思えません!! しかも相手は『天眠大神の化身』と言われる母さんなんですから...... 世羅子は母さんに一歩も引けを取っていませんよ!!」トキロウは興奮を隠せない様子だった。 今まで誰も敵わなかったカグラにセラは互角の勝負をしている。 一時は母カグラの圧倒的な力の前に絶望しかけたトキロウだが、セラの機転の効いた戦いを見て、一筋の光明が見えてきた。

 ローザもトキロウと同じ気持ちだった。 カグラの力を前にしてセラでも敵わないのではと感じたが、セラの力は全くカグラに引けを取っていない。 本当にセラは凄い子だと、心の底から感心した。

 (これでは迂闊に『眠獣』をけしかける事ができぬ...... 世羅子め...... まさか隙をついて攻撃をしてくるとは思わなかったわ...... 『眠獣召喚』の弱点を見抜くとは侮れぬ奴よ...... それにさっきは催眠力が尽きかけていたのに、今は回復している。 なぜ回復しているのだ? 世羅子にはまだ、私の知らない未知の能力があるとでもいうのか......)カグラはセラが弱点を見逃さずに攻撃を仕掛けてきた事に面食らっていた。

 カグラは今まで『眠獣』同士での戦いを経験したことが無かった。 『眠獣』を召喚すれば大抵の相手は倒せたからだ。 だから『眠獣召喚』の弱点を突かれるなど予想もしていなかった。 それになぜかセラの催眠力が回復している。 催眠力は時間が経てば回復するが、それにしても異常な回復の速さだった。 カグラは、まだセラには隠された力があると考え警戒を強めた。

 セラはヒーリング能力で巨狼のダメージを回復させた。 回復した巨狼は大きく吠えた。 先ほどやられた事に誇りが傷ついたのか、激しく怒っている様子だった。 牙を剥き出しにして、カグラと『神眠竜』に向かって怒りに満ちた目で睨み付ける。 巨狼は今にも飛びかかりそうな勢いであった。

 「待って!! 慌てないで!!」セラが飛びかからんと息巻いている巨狼を制した。 巨狼は制止されたことが不満だったのか、セラに向かって唸った。

 「あなたの悔しい気持ちはわかるわ。 でも今は我慢して。 少し様子を見ましょう...... 良い子だから......」セラが巨狼に優しく手を触れて、いきり立つ巨狼をなだめた。 セラになだめられ、巨狼は落ち着きを取り戻した。 セラは落ち着きを取り戻した巨狼を優しく撫でる...... 

 「よくその獣を手懐けておるようだが、我が『神眠竜』は獣ごときにやられはせぬ。 すぐに退治してやろう!! もう一度けしかけてくるがよい!!」カグラが巨狼をなだめるセラに向かって煽り立てるように言い放った。

 「どうしたの? 随分と余裕が無い顔をしているけど、もしかして強がっているのかしら?」カグラに煽り立てられたセラだったが、お返しとばかりに逆にカグラを煽った。

 「なんだと?! 私が強がっているだと...... 出鱈目な事を言いおって!!」セラの挑発を受けて、カグラの表情が強張った。 明らかにセラの挑発に苛立っている。

 「もしかして図星だった? そんなにムキになってるなんて...... 今はあなたの心がよく読めるわ。 焦りと恐れ、そして動揺が感じられる。 今まで『眠獣』を出せばほとんど勝負がついていたから、『眠獣召喚』の弱点を突かれるなんて考えたこともなかったんでしょう? でも、その弱点を私に見抜かれたから、内心はすごく動揺してるみたいね」セラはカグラの心の内を正確に読み取っていた。

 「この私が動揺だと...... 調子に乗るなよ小娘めがっ!! たかが私の秘術の一つを破ったくらいでいい気になりおって!! その減らず口を二度と聞けないようにしてやるわ!!」セラに図星を突かれたカグラは逆上した。 

 「随分とご立腹ね..... それに私の催眠力が回復しているのを疑問に思っているのでしょう? 回復が速すぎるって。 私にはまだ、あなたの知らない力があると思っているわね? その通りよ......」セラがカグラを小馬鹿にするように笑いながら言った。 

 (こやつ....... 人の心が読めるのか......?)カグラはあまりにもセラが自分の心の中を正確に読み取っているのをみて、セラは人の心が読めるのではないかと疑問に感じた。

 「そのとおりよ。 あなたには内緒にしていたけど、私は人の心が読めるの。 もちろん時郎にも話したのは最近だけど...... いつかあなたと戦う時が来た時の為に内緒にしていたのよ。 ちなみにあなたの知らない能力はまだあるから、どんな能力かはあなたが勝手に想像してみたら......」セラは戸惑い焦るカグラの気持ちをさらに煽るかのように言った。

 「......」カグラは言葉を失った。 セラが自分と戦う事になると予想し、能力をずっと隠していた事実に驚きを隠さずにはいられなかった。 セラは自分と戦う準備をしていたのだ。 いつか自分と雌雄を決する時がくる事を想定していた。 カグラは末恐ろしくなった。 おそらくセラは『眠獣』作り出したのも咄嗟の考えではなく、以前から考えていたのだ。 そしてトキロウにも隠して能力を磨いていた。 でなければ、いきなり実戦であれだけ見事に術を使えるはずが無い。 

 カグラの身体が恐怖で震えた。 セラと戦う前は、初めて自分と対等に渡り合える人間が現れたという喜びで、興奮のあまり武者震いがした。 しかし今の身体の震えは違う...... 今、目の前にいる人間は一体なんなのだ? 神か? 悪魔なのか? 世羅子は人知の及ばない得体の知れない存在であり、『天眠大神の化身』と言われる自分とも明らかに違う...... 理解不能なセラの存在にカグラは心底恐怖した。

 「さぁ、これで条件は五分と五分......  あなたがこのまま引き下がるなら、私も引き下がるけど、あなたの性格じゃ引き下がらないだろうから、このまま勝負は続行ね」

 「舐めた事を!! 私は『姫美島家 第九十九代当主 天眠大神 姫美島 迦虞羅』だ!! この私が敵に背中を向けることなどあり得ぬ!! 『天眠大神』の誇りにかけて退くことは許されない!! この私を侮辱したそなたの言葉...... 決して許さぬ!! 行くぞ世羅子!!」カグラは『姫美島』家の為にも、また己の誇りにかけても退くことも負けることも決して許されないのだ。

 カグラは意地と誇りにかけて攻撃に出た。 カグラは念を『神眠竜』に送り始めた。 すると『神眠獣』の身体が変化し始めた。 胴体の鱗が逆立ち、まるで棘のように鋭い鱗に変化していく。 『神眠竜』の胴体は全て尖った鋭い鱗に覆われた禍々しい姿となった。「これで噛み付くことは出来まい!! そなたの狼の身体を抉り取ってやるわ!!」

 禍々しく変化した『神眠竜』が猛然と襲い掛かって来た。 すると巨狼も応戦とばかりに『神眠竜』に飛びかかっていた。 巨狼は『神眠竜』の胴体に食らい付いたが、胴体を覆う鋭い鱗に口の中を切られ、すぐに口を離した。 これでは『神眠竜』に食らいつくことが出来ない。 そして『神眠竜』はその鋭い鱗を巨狼の身体に叩きつけてきた。 巨狼の身体は鋭い鱗で大きく傷ついた。 

 「戻ってきて!!」セラが負傷した巨狼を治療する為に呼び戻した。

 「むん!!」セラが巨狼を呼び戻した瞬間、すかさずカグラが気合と共に催眠法力で攻撃してきた。 すると大聖堂の中が雪と氷に覆われた極寒の世界に変化した。 

 「これは...... まずい!!」セラがすぐに力を使って、カグラが作り出した極寒の世界を消滅させた。 

 セラが極寒の世界を消滅させると、間髪入れずにカグラは再び極寒の世界を作り出した。 そしてセラは先ほどと同じように極寒の世界を消滅させる。

 「まだまだ!! 何度でも繰り返してやるわ!!」カグラが再び催眠法力で攻撃してくる。

 カグラの執拗な攻撃にセラは防戦一方だった。 巨狼に治療を行わなければならないが、カグラの執拗な攻撃を受けては治療が出来ない。 そして『神眠竜』は巨狼を追ってきて、巨狼の身体に再び鋭い鱗の胴体で攻撃を加えてきた。 

 (カグラ...... 自分の守りを放棄して攻撃を繰り返すことで、私に何もさせないで先に狼を倒す作戦に出たのね...... このままじゃ狼がやられてしまう...... なんとかしないと......)セラが珍しく焦っていた。 カグラのなりふり構わぬ気迫を感じ取ったからだ。 カグラは自分の守りを放棄してセラに攻撃を加え続け、セラに何もさせず先に狼を始末するつもりだ。 狼さえ始末してしまえば、カグラが再び絶対的に有利になる。

 「どうした世羅子?! 早く狼を治療せねば『神眠竜』の餌食になるぞ...... もっとも治療できたらの話だがな......」

 「......」セラは考えていた。 このままでは狼がやられてしまう。 しかし狼の治療を行えば、そのすきにカグラが攻撃を仕掛けてくる...... カグラのなりふり構わぬ攻撃にセラは一気に窮地に立たされた......




「催眠聖女 ローザ・フェアリー」(25)終




(26)へ続く











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