『催眠聖女 ローザ・フェアリー』あとがき

 皆様こんばんは!! 『催眠魔女の虜』の作者のクーガです!!   今回の『催眠聖女 ローザ・フェアリー』はいかがだったでしょうか? 約8ヶ月の間、毎週1話ずつの投稿という形で連載を始め、30話を持ちまして一旦終了となりました。 長かった......  ローザ、トキロウ、セラの物語、楽しんでいただけたでしょうか? タイトルは『催眠聖女 ローザ・フェアリー』とありますが、主人公は完全にセラで…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(最終話)

 「では、時郎様。 我々は一旦アジトへと戻ります。 見張りなどは必要はありませんか?」トキロウとの話を終えた『白眠衆』たちは一旦アジトへと戻る事にした。 トキロウはアジトへと戻る『白眠衆』を見送るため、小屋の外まで出てきていた。 セラは小屋の中にそのまま残っている。  「大丈夫だよ、僕は子供じゃないんだから見張りなんていらないよ!! あんまり見張られるのは正直嫌だしね。 とりあえず、アンソニー…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(29)

 セラが目覚めてから一週間後、アンソニーがローザと共にトキロウとセラが住む小屋へと訪れてきた。 アンソニーの来訪目的は、ある提案を二人にする為だった。  「え?! 僕たちが”王宮”へ......」アンソニーからの提案にトキロウは驚愕した。  「そうなんだ。 二人を王宮に住まわせる方が良いというのが、国王陛下と王妃の考えなんだ。 今回の一連の事件は国王陛下にはもちろん報告してある。 先日ロ…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(28)

 セラが目覚めたと聞いて、町長や神父を中心に町の人間達がセラのいる病院に訪れてきた。  町の人間たちはカグラに操られてセラを襲った記憶は無い。 ローザから話を聞いて自分たちが操られてセラを襲ったことを知ったのだった。   「セラ、色々と迷惑をかけてすまなかったね...... まさか操られてセラを襲うなんて、今でも信じられないよ...... 町の住民を代表して謝罪しにきたよ...... 本当…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(27)

 「私は生きているのか......?」 カグラの部下の『白眠衆』の長が目を覚ますと、そこは病院のベットの上だった。 そして自分が生きていることに戸惑いを感じていた。 周りを見渡すと、他の『白眠衆』たちもベットにおり、全員が自分と同じように戸惑ったような表情をしていた。 『姫美島』家に伝わる秘薬、『砕眠丸』を服用すれば、高確率で副作用で命を落とす。 飲んだ全員が生きている事などはまずありえない…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(26)

 カグラの生み出した『神眠獣』が猛然と巨狼に襲いかかる。 巨狼の身体は『神眠竜』の身体の表面にある棘状の鱗によって削られ、大きく傷ついていた。 巨狼の身体は激しく出血していた。  セラは傷ついた巨狼の身体を一刻も早く治療しなければならなかったが、カグラの執拗な催眠攻撃を受けて治療することがままならなかった。 このままでは巨狼は『神眠竜』にやられてしまう。 なんとかこの状況を打破しなければならな…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(25)

 「すぐにわかるだと......? この後に及んで何が出来るというのだ? 強がりも大概にするがいい!!」カグラは明らかに不快感を露わにしていた。 すでに王手を決め、勝利を確信していただけに、無駄な抵抗をし、強がるセラの態度が気に食わなかった。  「勝手に勝敗を決めないでもらいたいわね!! まだ戦いは終わってない!! 勝負はこれからよ!!」不快感を表すカグラに向かってセラが吠えた。 セラは全く勝…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(24)

 カグラが作り出した『催眠方陣』から、巨大な竜が現れた。 その巨大な竜は眩いばかりに光り輝きながら、教会の聖堂の中をまるでその存在を誇示するかのように飛び回っていた。  「あの竜は一体なにっ?! トキロウさん......」ローザは我が目を疑った。 先ほどの黒い巨人とは全く異質な雰囲気を巨大な竜から感じ取っていた。 その竜は黒い巨人とは違い禍々しい悪意のようなものは感じはしなかった。 何か莫大な…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(23)

 近年、『姫美島』の血を受け継ぐ女系女子は少なくなっており、御三家のうち『真宮』『北条』の二つの家はついに後継者がいなくなり、本家以外では『藤堂』のみが、その血統を守っていた。  その為、『姫美島』家は存亡の危機にさらされていた。 本家の女系女子の後継者はカグラ一人しかおらず、『藤堂』も優羅子のみという状況であった。 このままでは女系女子はいなくなり、『姫美島』家は滅亡してしまう。 そこで『姫…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(22)

 遂に『奇跡を起こす力を持つ少女 セラ』と、『天眠大神 姫美島 迦虞羅』による宿命の戦いが始まった。   「母さんが名乗りをあげた!! 本気だ...... 本当に全力で世羅子と戦うつもりなんだ...... あの母さんが......」トキロウは、母カグラが名乗りをあげたことに驚いていた。 超常的な力を持つカグラは、どんな時も他人を見下し、傲岸不遜な態度で戦ってきた。 誰が相手であろうと、悠然と立…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(21)

 「セラッ!!」  「世羅子っ!!」  セラが教会に戻ってきた。 トキロウとローザはセラが教会に戻ってきたのを見て、安堵の表情を浮かべた。 暴君カグラを倒せる可能性のある、ただ一人の存在『奇跡の力を持つ少女 セラ』が戻ってきたのだ。 圧倒的な力を持つカグラの前に、絶望すら感じていた二人だったが、セラが戻ってきた事で希望が見えた。 セラならきっとカグラを倒してくれるはずだ!!  セラは急いで…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(20)

 ローザの指輪から放たれた不思議な光が、カグラの『催眠法力』で生み出した黒い巨人の攻撃からローザを守った。 「この指輪の力は一体......?」ローザは光り輝く指輪を不思議そうに見つめていた。 この指輪にこのような秘めた力があるとは知らなかった。   フェアリー家に代々伝わる家宝としか聞いていない。 ローザも亡くなった母親から形見として受け継いだものだった。 指輪の輝きを見ていると、ローザは子…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(19)

 ローザはトキロウを守る為にカグラと戦う決意を固めた。 セラとトキロウという新しい家族の為に...... 二人の未来の為にローザはカグラとの戦いに挑む。 しかし、ローザは足が震えていた。 ローザ自身、人と争う、戦うといった経験は今までしたことが無かった。 人と争ったり、戦ったりする事は平和を愛するローザにとって、最も忌み嫌うものだったからだ。 人は誰しもが平和を願い、争いなど求めていないと信じて…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(18)

 カグラの催眠術で操られた町の住民たちはセラを取り囲んだ。 囲まれたセラには何処にも逃げ場が無かった。   「みんな目を覚ましてっ!!」セラが町の住民たちに向かって必死に叫ぶも、操られた住民達の耳には全く届いていなかった。 皆、無表情のままセラに向かって来る。 町の住民達は完全にカグラの催眠術の支配下に置かれていた。  (町の人たち全員がカグラの催眠術にかけられているということは、カグラは随…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(17)

 突如、ローザたちの前に姿を現した人物は、トキロウの母親である『姫美島 カグラ』であった。   「かあさん......? まさか、この女性が...... トキロウさんの母親であるカグラ?!」トキロウの言葉を聞いて、ローザは女性の正体がトキロウの母親である『姫美島 カグラ』であると知り、驚きを隠せなかった。  驚くトキロウとローザを他所に、カグラは澄ました表情をして落ち着いた様子だった。 カグ…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(16)

 「お帰りなさい。 あれ、お父さんは?」チーズ職人の妻は町へ戻り、家に帰ってきた。 家には娘がいたが、妻だけが帰ってきたことを不思議に思った。  「............」妻は何も語らなかった。 家に帰っても黙ったままで、ジッと娘を見ていた。  「どうしたのママ? 何か様子が変よ......」母親の様子がおかしい...... まるで別人の様になってしまっている。 娘は言いようのない不安を感…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(15)

 いつものように二人の小屋へとやってきたローザ。 今日はトキロウの家庭教師をする予定の日であった。 扉をノックしてから開けると、トキロウは椅子に座っており、椅子に座っているトキロウの前にはセラが立っていた。   ちょうどセラがトキロウに催眠術をかけている最中だった。 これは二人が日課としているもので、トキロウの病の治療の一巻としてセラが行っている。  セラは座っているトキロウの眼前で、その細…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(14)

 「カグラ様...... あの町の人間を捕らえて参りました」部下が町のチーズ職人とその妻の二人を捕らえ、カグラの元に連れてきた。 チーズ職人夫妻は首都にチーズを納めにきたところをカグラの部下に捕まり連れてこられた。 捕らえられたチーズ職人夫妻は縛り上げられ、カグラの前で跪かされていた。  「ご苦労...... 流石に仕事が早いな......」カグラは扇子で扇ぎながら悠然と構えていた。  「恐…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(13)

 「お待ちしておりました、カグラ様」ヨーロッパに到着したカグラを部下が出迎えた。   「出迎えご苦労......」カグラは部下に労えの言葉をかけるとあたりを見回した。 そして何やら思いをはせている様子だった。  「いかがされましたか、カグラ様?」  「ふっ...... 大した国ではないな...... わざわざこんな国まで私がやってくるハメになるとは何の因果か...... これも『姫美島』の…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(12)

 「でも、セラのヒーリング能力のおかげで、トキロウさんの病気は改善したのでしょう? それなのにお母さんはセラを恐れたの?」  「僕は生まれた時から難病を患っていました。 医者の見立てでは成人までは生きられないだろうと...... 僕は子供の頃からずっと寝たきりで、ただ死を待つのみでした。 超常的な力を持つ僕の母でさえ、僕の病に対しては何もする事は出来なかったんです」  「母親としては辛かった…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(11)

 マザーとの会談から一週間が過ぎた。 町はいつもの静けさを取り戻し、ローザ、セラ、トキロウも普段の生活に戻っていた。   ローザは二日に一回、トキロウたちの元にやってきて、トキロウの家庭教師をしている。 なんだかんだあったが、セラもローザの家庭教師の件は認めてくれたようだった。 家庭教師の無い日は、先日セラが助けた少年の母親の看病に行っている。 少年一人では看病が難しい事もあり、ローザが看病の…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(10)

 謎の言葉を口にした衛兵...... この衛兵は自分事を知っている。 そして自分を見る眼差しに見覚えがあった。  曲に合わせて優雅に踊るローザと衛兵...... 衛兵は踊り慣れているのか、慣れていないローザを上手くリードしていた。 愛おしそうにローザを見つめながら、軽やかにステップを踏んでいく。  「あなたは私を知っている...... あなたは一体誰ですか?」自分の事を知っているという衛兵の…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(9)

 歓迎の宴は町に唯一ある酒場で行われた。 町の大人の大半がこの宴に参加した。 町の名産品であるチーズ使った料理とお酒が並び、そして民族音楽を奏でながら踊り子が踊っている。 町は総出でマザーと王妃の訪問を歓迎していた。  町の人たちの暖かい歓迎を受けて、いつもは厳格で厳粛なマザーと王妃も今日の宴は和やかな雰囲気で参加していた。 町の人々と気軽に言葉を交わし、交流を深めている。   セラ、トキロ…

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「催眠聖女 ローザ・フェアリー」(8)

 マザー、アン王女との会談当日、セラとトキロウは前日から小屋ではなく、町の宿に宿泊していた。 セラは朝から美容師にヘアメイクをしてもらったり、ドレスアップの為の着付けなどを行う予定だった。  ローザも朝からマザーと王妃の出迎えなどで忙しかった。 町の人々もマザーと王妃が来ると聞いて、慌ただしくしていた。 何もしなくて良いとは言われてはいるが、やはり気が気ではなかった。  マザーとアン王妃を乗…

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「催眠聖女 ローザ・フェアリー」(7)

 ローザとセラ、トキロウの三人は町に買い物に来ていた。 ローザの提案で、せっかくマザーと王妃と会談をするのだから、しっかりとドレスアップした方が良いとの事だった。 セラとトキロウはそういった服は全く持っていなかったので、ローザが二人にプレゼントする事にした。  町の洋服店に到着した三人は扉を開けて中へ入った。 小さな洋服店だがそこそこ服の種類はある。   「おお!! セラにトキロウじゃないか…

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「催眠聖女 ローザ・フェアリー」(6)

 『姫美島家』とは...... 日本神話に登場する女神『天瞳眠神』(アマノヒトミノネムリカミ)の子孫であり、二千年以上女系の系譜を守っている一族である。 『姫美島家』の当主は『天瞳眠神』の声を聞く神子の役割を担い、神の力を借りる事によって災害や疫病、飢饉や戦から日本を守ってきており、古くから日本の歴史を陰で支えてきた。 故に現在でもその権威と権力は絶大なものになっている。 また『姫美島家』には数…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(5)

 「そうでしたか......やはりセラとは話が出来ませんでしたか...... しかしトキロウが発作を起こしたんでは仕方がないですね」町に帰ったローザは、教会に戻り神父にセラたちとの事を伝えた。  「セラは全く私とは話をしようとはしませんでした。 トキロウとは少しですが話をすることは出来たのですが、セラが町の女性たちに影響を与えている可能性がある事を伝えたら、トキロウは随分とショックを受けた様子…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(4)

 ローザは『聖ヒプノ修道院』について話し始めた。  「聖ヒプノ修道院は『聖催眠神 メスマリア』を信仰する『メスマリア教』の信者たちが集まる修道院であり聖地なの。 私たち『メスマリア教』の修道女たちは、『聖催眠神 メスマリア』の教えに従い、平和と平等、そして安らぎと愛を催眠の力を使うことで多くの人々に幸福をもたらし、貧しい人々を救済する活動を行っているのよ」  「催眠の力を使うんですか? …

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(3)

 ローザは翌日、町のチーズ職人の馬車でセラのいる牧場へ向かった。 車ではなく、馬車で牧場まで向かうというのは、いかにも田舎の町らしい。 牧場の場所は町から少し離れており、雲ひとつ無い晴天の中、のどかな農道を馬車はゆっくりと進みながら牧場を目指した。  「この町はチーズ作りが盛んなのです。 いいチーズを作るには上質なミルクが必要なんですが、セラが牧場で牛の世話をするようになってから、牛たちが…

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『催眠聖女 ローザ・フェアリー』(2)

 ローザは教会に向かう途中に銅像を見つけた。 銅像には『偉大なる聖女 マザー・セシリア』と書かれていた。 ローザは銅像を見つけるとその銅像の前で祈りを捧げ始めた。 この町はかつて偉大なマザー・ヒプノティストであった『マザー・セシリア』の出生の地である。 マザー・セシリアの偉大な功績を称え、町には銅像が建てられた。 催眠聖女にとってこの町は『聖地』にも似た思いがある。  (マザー・セシリア.…

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