催眠魔女と野獣(12)

 「公平さん!! 今、澪奈さんから連絡があって、反町さんが警察に逮捕されたそうよ!!」 澪奈から、反町が逮捕された連絡を受けた響子は驚いた様子で、公平のところへとやってきた。  「そうですか……  反町が逮捕されましたか…… 反町は一体何をして逮捕されたのかは聞きましたか?」  「澪奈さんと恋人の神山さんを殺害しようとしたそうよ……  拳銃も警察に押収されたって……」   「拳…

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催眠魔女と野獣(11)

 会食を終えた響子と公平は車で響子の自宅マンションへと向かっていた。 車中で響子は一言もしゃべらなかった。 公平は先ほどの事を響子から問い詰められるのではないかと思っていただけに、少しホッとしていた。  なるべく響子には、アビゲイルの事は知られたく無かった。 もし響子に知られてしまえば、響子を巻き込む事になる。 それだけは絶対に避けたかった。  だが、公平には気がかりなことがあった。…

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催眠魔女と野獣(10)

 アビゲイルに幻覚催眠かけられた公平はなす術が無かった。 百戦練磨の空手の使い手の公平ですら、アビゲイルの催眠術の前では、赤子同然のように無力だった。  「苦しかろう…… 私の幻覚催眠は、お前の肉体に幻覚と同じ苦痛を与えることが出来るのだ。 お前の目には強大な蛇が巻き付いて見えるはず…… それは私の催眠が作り出した幻覚…… だが、苦痛は本物なのだ…… このまま締め付けていけば、お前の全身の…

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催眠魔女と野獣(9)

 突然、公平の前に姿を現した、『アビゲイル』 と呼ばれる不気味な人物…… その異様な姿は、まるで、死の世界からやってきた死神のようであった。  「何をしにきたっ!! アビゲイル!!」 突然、姿を現したアビゲイルに、普段は冷静沈着な公平が声を荒げた。 この男にしては珍しく苛立っていた。  苛立つ公平だったが、アビゲイルは黙って佇み、公平の様子を伺っているようであった。 しかし、仮面を着…

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催眠魔女と野獣(8)

 「響子さん。 今日は友人との会食を楽しんでください。 私はここで待機しています」 公平はそう言って、会食が行われる高級レストランの入り口付近にあるエントランスに待機した。  今日は、先日久しぶりに再会した響子の友人である精神科医の、『立花 澪奈』 を含めた数名との食事会が開かれる。 反町のパーティーで、『立花 澪奈』 と偶然再会したことがきっかけになり、久しぶりに皆で集まることになったの…

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催眠魔女と野獣(7)

 突然、謎の集団に襲われた響子と公平だったが、駆けつけた警察によって一通り事情を聞かれた後、自宅へと戻った。  帰りの車中、響子は黙ったまま一言もしゃべらなかった…… 襲撃によほどショックを受けたのであろう…… いつものように響子の自宅の安全を確認して、公平の一日は終わる。 だが、響子の表情は不安でいっぱいのような表情だった。  天使のように可憐な響子の美しい顔が、今まで見たことが無…

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催眠魔女と野獣(6)

 公平と襲撃してきた男達の立場は完全に逆転していた。 襲撃してきた男達は狩りを行うはずだった…… しかし、獲物を狩るはずが、自分達が、『木羽 公平』 という一匹の野獣の獲物になってしまったのだ……  圧倒的な戦闘力の差…… このゴリラのような大男を倒すには、今ある武器では到底倒すことは出来ないと、男達は悟った。 戦車でもないと無理かもしれない……  公平は身動き一つせず、構えたままで…

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催眠魔女と野獣(5)

突然現れた、バイクの集団は響子と公平の乗る車を取り囲み、何処かへと誘導していた…… 「公平さん……」 響子は不安でいっぱいな表情だった…… 「心配ありません… すぐに襲ってくるわけではなさそうです。 少し様子を見ます……」 響子の不安をよそに、公平は至って冷静だった……  やがて、バイクの集団に誘導され響子と公平は港の埠頭に誘導された。 その埠頭は夜の為、すでに人…

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催眠魔女と野獣(4)

 公平と響子はこれから行われる打ち合わせ場所に車で向かっていた。 今日は先日行われたパーティーの主催者が、響子を自社のイメージキャラクターとして起用したいと申し出たため、その会社のある場所へと二人で向かっていた。  その会社名は、『フレンドリンク』 という、ネット事業を中心としたベンチャー企業である。 社長を務める、『反町』 から、ぜひ自社のイメージキャラクターになってほしいと依頼が来たの…

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催眠魔女と野獣(3)

 公平の鍛え抜かれた身体を使い、『催眠魔女 美崎 響子』 の演奏が始まった。  それは、催眠術によって身体の感覚を通常の何倍も敏感にさせられ、その敏感になった身体は触れただけで極上の快感が全身を駆け巡る……  そして、楽器となった公平の身体は快感の声をあげ、 その声は音色となり、快楽のメロディーとなる……   「まずは第一楽章よ……」 それは喜びの楽章…… 愛するものと過ごす喜…

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催眠魔女と野獣(2)

仕事を終え、響子と公平は響子の自宅のマンションに帰ってきた。 公平がいつものように、部屋の隅々まで点検して安全確認をする。 「大丈夫です!! 異常ありません。 今日もお疲れ様でした」  部屋の安全確認を終え、響子は中へと入っていく。  「公平さん。 今日もありがとう!! 中で少し休んでいって!!」 響子は、公平に部屋で休んでいくように誘った。  「いえ。 私の役目はここ…

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催眠魔女と野獣

満場の拍手に迎えられて、一人の女性がステージの中央に歩み寄ってきた。 ステージの中央には、一台のピアノが置かれている。 女性は会場にいる2000人の観客に向かって一礼して、置かれたピアノの前に着席した。 満員の会場は、水を打ったように静まり返り、観客の視線はステージの女性に集まった。 女性は静かにピアノを弾き始めた。 一瞬にして会場にいる全ての人間の心を奪ってしまった。 …

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